【再レビュー】ダクタイルパンを6年使ってわかってきたこと

当ブログでほめちぎってきたダクタイルパンを使いはじめて、はや6年。

前回書いた記事はいまだに検索上位に食い込んでいるけど、「もっと自分色を出していこう」と再出発を決めた手前、改めてどう思っているか書くべきだなと思った次第。

手持ちの他の鉄フライパンとも比較しながら詳細にレビューしていくので、最後まで見ていってほしい。

なお、本記事はゼロから細かくレビューするものではないので、ダクタイルパンの詳細を知りたい人は過去記事をご参照。

目次

【結論】総合点の高さは変わらない。ただ底面の凸が気になりはじめた

まずダクタイルパンへの高評価はゆるがない。
高いお金を出す価値は間違いなくあると思う。

鋳鉄ならではの堅牢さを誇りつつの適度な軽さ、圧倒的なサビにくさがもたらす手入れの楽さ。
これは他の追随を許さない。ぶっちぎり。

一方で前の記事では焦げ付きにくさを推していたけど、使い慣れてくると他のものとも大差がないと思い始めた。
さらに、ダクタイルパン特有の焼面の凸が少し鬱陶しく感じてきてもいる。

詳しくは後述する。

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【おさらい】過去記事でのメリット・デメリット

まずは前回記事で書いたメリット・デメリットのおさらいから。
本記事では、当時感じていたこれらがいまではどう感じているかという観点で書いていく。

デメリット

  • 価格が高い
  • 火加減が難しい(使い始め)
  • じっくり火を通す料理には不向き
  • 若干バランスが悪い

メリット

  • お手入れが完全に不要
  • 段違いに焦げ付きにくい
  • 軽い
  • 丈夫
  • 頑丈で熱くならないハンドル
  • 料理が時短できる
  • 全熱源に対応

変わらずデメリットだと思うもの

価格が高い

ダクタイルパンの最大のデメリットは価格。これはまったくゆるがない。

昨今のインフレの流れにもあって、今では18,150円(26cmの場合)。
まぁ値上げの原因は我々鉄鋼メーカー側にあるかもしれないので、あんまり責めないであげてほしい(自己保身)。

とはいえ、そんな今でもモノを選ばなければ5,000円で鉄のフライパン自体は買えることを踏まえると、やっぱり「うっ…」と思うはず。
ということで、価格はデメリットであると言わざるを得ない。

大したデメリットでもなかったもの

もう時効だと思うので正直に言うんだけど、これから言う点は前回記事を書く時にメリットの数との調整にためにひねくりだしたもの。

あんまりメリットばっかり書くと胡散臭く思われるのが商品レビューというもので、そのバランスを意識してあえてデメリットを増やしたイメージ。
だからそもそも、大してデメリットとは思っていなかったというのが正直なところだ。

火加減が難しい

前回記事でダクタイルパンの熱伝導性を実験で比較。
結果、同じ板厚1.6mmのフライパン同士で比較しているのに、なぜか驚くほど昇温スピードが早かった。
だから最初に使うときには、想像以上に温度が上がってしまっているので、食材を焦がしてしまうと書いた。

ただ、こんなの考えてみれば当たり前で、火加減なんて慣れればすぐに問題ではなくなる。
デメリットではない。

じっくり火を通す料理には不向き

ダクタイルパンの長所でもある薄さ。
ただ薄いが故に蓄熱性が低くてじっくり火を通す料理には不向きと書いた。

ただ、そもそもいくらディープパンとはいえ、ダクタイルパンはあくまで「フライパン」。
じっくりコトコトといった煮込み料理をするものじゃない。
そういうものはSTAUBなどの深い”鍋”でやるものだから、たいしたデメリットではない。

若干バランスが悪い

どこかで不便さを感じる瞬間が来るかなと思っていたけど、まったく気になったことがない。

ネットを見ているとこの点を気にする声が多少あることも知っているけど、個人的には普通に使っていて困ることはまずないと思う。

新たにデメリットだと感じたもの

ここからは前回記事時点では気になっていなかったけど、最近デメリットだと感じ始めたことを書いていく。

フライパン中心部の膨らみ

ダクタイルパンは、写真のとおり熱変形対策として中心部が内側に膨らんでいる。

どういうことかというと、IHはガスと違って平たい面の上で調理するわけだけど、熱変形で底面が外側に膨らんでしまうとぐらついて使えなくなってしまう。
そうならないために、あえて中心部を内側に膨らませているってこと。
考え方としては非常に理にかなっているのはわかる。

ただ、これが使いにくい。

例えば、油を引くとき。
中心部が膨らんでいるために油が縁に流れていってしまう。


添付写真は先日長芋のフライを作ろうとしたときのもので、見ての通り真ん中が膨らんでいるので、長芋が油に浸からないなんてことが起きた。

ステーキのように厚めの肉を焼くときも、綺麗に焼き目がつかないなんてことがある。

この膨らみによる油と焼き目の偏りがストレスで、料理によっては使わないなんてことが最近は増えている。

塗装剥げ

続いて塗装のハゲについて。
これは正直そこまでのデメリットとは思わないけど、気になる人もいるだろうから挙げておく。

「鉄のプロ」なんていっておきながら知らなかったんだけど、鋳鉄製のフライパンは塗装しているらしい。
本来の鋳鉄の色は他の鉄と同じようにシルバーっぽい色をしていて、そこに粉体塗装をして真っ黒にしているとのこと。

となると、この塗装が”剥げる”という事態が起こる。

添付写真は手持ちのダクタイルパンの底面。
ガス火が当たる箇所が白っぽくなっているのがわかると思う。
岩鉄鉄器のHPにも書いてあるけど、これは塗料が火によって焼き切られてしまったことによるもので、色が変わること以外には特に問題ないとのこと。

実際そうだと思う。
窒化処理は粉体塗装前にやっているし、その証左としてもうこの状態が長く続いているけど、錆びるなんてこともない。
ちなみに調理面は全く問題なし。直接火にさらさない限り、よっぽど大丈夫なはずだ。

ということで、塗装ハゲが起きるのは裏面のみ。それでも気になるという人はやめておいたほうがいいかも。

改めてすごいと思わされたもの

ここからはメリットの話。

長く使ってみて”さすが”と感じたものをピックアップして紹介。
それすなわち、ここに記載していることがダクタイルパンを買う醍醐味と思って見てほしい。

お手入れが完全に不要(脅威の錆びにくさ)

左がダクタイルパン、右がニトスキ

4本の鉄フライパンを使い比べてみて、ダクタイルパンの錆びにくさはレベチだと改めて感じた次第。

同じ鋳鉄製だが窒化処理をしていないニトスキは何度かサビが発生(上図)
プレス製で窒化処理をしていない鉄職人も何度か錆びたことがある。

これらは錆びやすいことを考慮して、使ったらすぐ洗って水を飛ばす、みたいなことを割と徹底していたのにもかかわらず、だ。

対して、ダクタイルパンは調理後に水につけっぱなしで放置がデフォであるにもかかわらず、一度も錆びたことがない

鉄鋼メーカーで働いているもの的に、これは素直にすごいと思う。
塗装した鋼板でも普通に錆びるのに、ダクタイルパンは水さらしでも錆びない。

お手入れのことを気にしたくない人にはマジでオススメだと思っている今日このごろ。

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頑丈で熱くならないハンドル

ダクタイルパンのハンドルは本当に優秀。
熱くなることもなければ、腐食して壊れる心配もない。

厳密にいうと、長時間使っているとほんのり熱くなることはあるけど、ハンドルの切り込みのお陰で熱の伝達が弱まり、持てなくなることはない。
接合部からの腐食は、そもそも接合部がないから関係なしだ。

鉄職人のハンドル接合部

ニトスキはハンドルが短いこともあって、ミトンなしでは調理できないほど熱くなる。
鉄職人は熱くなることはないけど、写真のとおりいつかは接合部から腐食していく未来が想像できてしまう。

ということで、サビにくさと相まって、長く使いたい人にダクタイルパンは間違いなくハマる商品だと思う。

薄くても割れない強度感

左がダクタイルパン、右がニトスキ

鋳鉄は脆いから薄くするのが非常に難しい素材だ。
それにもかかわらず、6年間使い続けて割れる気が微塵もしない。この強度感は本当に素晴らしいと思う。

写真はダクタイルパンとニトスキを比較した写真。
同じ鋳鉄製なのに厚みがぜんぜん違うのがよく分かると思う。

この文脈だからわかると思うけど、決して二トスキが厚いわけではない。
むしろ普通でダクタイルパンが異常な薄さであることは断っておく

ここまで書いたサビにくさ、ハンドルの設計、鋳鉄とは思えない薄さと強度。これだけの技術を詰め込んでいるんだから高くて当たり前だし、この価値に気づけるのであれば、買う以外に選択肢はないと思う。

たいしてメリットではないと思い直したもの

焦げ付きにくい

たしかにダクタイルパンは他の鉄フライパンよりも焦げ付きにくいとは思う。
けど、使っていくと他の鉄フライパンと大差はないと感じた。

結局、鉄フライパンは商品がなんであれ、素材が鉄である以上使い込んでいくと油が馴染んで使いやすくなっていく。
だから焦げ付きにくさに特別な価値を見出してダクタイルパンを買う必要はない、と個人的には思う。

料理が時短できる

前の記事ではベーコンの焼き上がりの速さで比較したと思うけど、たしかにちゃんと時間を測ってみたらそうなのかもしれない。
ただ日常で料理をしているとわざわざそんなことしないし、大事なのは体感レベルで差を感じるかどうか。
結論、大差ない。

考えてみれば当たり前で、素材が鉄で板厚が近ければ熱伝導の速さにそこまでの差は生まれない。
あくまで補助的なメリットだと思う。

全熱源に対応

別の記事で書いた通り、基本的に鉄フライパンはすべての熱源に対応している。
まれにIHで使えない鉄フライパンがあるので、それと比較するとメリットではあるけど、大したメリットではない。

【まとめ】6年使用して感じたメリット・デメリット

ぐちゃぐちゃと書いてきた内容をまとめるとこんな感じ。

メリットデメリット
● お手入れが完全に不要(脅威の錆びにくさ)
● 頑丈で熱くならないハンドル
● 薄くても割れない強度感
● 価格が高い

繰り返しになるけど価格の高さはあまりあるメリットで帳消しどころか、むしろ安いんじゃないかと個人的には思う。

初めての鉄フライパン、失敗したくないならダクタイルパンを選べばいい、という結論でこの記事を締めようと思う。

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