「鉄フライパンってIHで使えるの?」
IHが普及する昨今でこう思う人も多いでしょう。
ただいざネットで調べてみると、「使える商品」と「使えない商品」が混在。
権威のありそうなランキングサイトを見ても「使えるものと使えないものがあるので注意しましょう」止まりで、結局商品選びがストレスに…。
鉄フライパン初心者のあるあるです。
結論から言います。ほぼすべての鉄フライパンはIHに対応しています。
ただし「ほぼ」というのがポイント。
では使えないものとはどういうものなのか?
この記事では「鉄フライパンがIHで使える原理」を説明しつつ、この疑問に答えていきます。
理屈を知っておくと、買うときも使うときも判断に迷わなくなりますよ。
この記事を読んでわかること
- IHが加熱する仕組み(電磁誘導の原理)
- なぜ鉄はIHで使えるのか(強磁性体の話)
- IH非対応になるパターンとその理由
- 購入前・使用中の確認方法
【結論】鉄フライパンはIHと相性抜群。ただし形状に注意

上述したとおり、鉄フライパンはほぼIHで使えます。
まず考えるべきなのは「鉄」という素材と「IH」との相性。
鉄は強磁性体であり、IHの加熱原理と相性が抜群にいい。
IHのために生まれてきたような素材と言っても言い過ぎではないレベル。
じゃあなぜ使えないものがあるのか?
それは「底面の形状」。
この点だけ押さえておけば、鉄フライパン×IHで困ることはほぼありません。
そもそもIHはどうやって加熱するのか?

「鉄とIHの相性が抜群」であることを理解するには、まずIHの加熱原理を知る必要があります。
IH(Induction Heating=電磁誘導加熱)の仕組みはこうです。
1.IHのコイルに交流電流を流す
2.コイルの周囲に磁界(磁力線)が発生
3.その磁界に磁性体(磁石にくっつく素材)を置くと、素材内部に渦電流が発生
4.渦電流が素材の電気抵抗によってジュール熱に変換され、素材自体が発熱
「は?」と思われますよね(笑)
ポイントは「磁性体(磁石にくっつく素材)に電流が流れて素材自体が発熱する」という点。
磁石にくっつく素材ならIHで加熱ができ、くっつかないものは加熱できない、ということです。
じゃあ鉄は磁石にくっつくかというと・・・?
答えは明白でしょう。
なぜ鉄はIHで使えるのか

さきほどの章でほぼ答えを出しましたが、
「鉄は磁性がある(磁石にくっつく)からIHで使える」ということです。
なんなら鉄(Fe)は強磁性体です。
使えないわけがないということ。
逆にアルミ・銅・ガラス・土鍋などは磁石にくっつかない=磁性がない=IHで使えない。
テフロンフライパンのアルミ素地が対応しないのも同じ理由です。
💡 補足
磁性をもたない素材で「IH対応」となっている商品は、なんらかの工夫がされています。
例えば、アルミ素材でIH対応となっているものは、ステンレスが底面に組み込まれています。
ステンレスは磁性体なので、これをもとに発熱しているわけです。
では、なぜ使えない鉄フライパンがあるのか

素材的にはOK、だが使えないケースがある。
不思議ですよね。
理由はひとつ、底面がIHのプレートに密着していないからです。
IHは「コイルと底面が近接していること」が前提で設計されています。
底面が浮いていたり、接触面積が少なかったりすると、磁束が十分に通らず加熱できない。
あるいはセンサーが「鍋なし」と判断して動作しないことがある。
具体的なパターンの詳細を見ていきましょう。
パターン①:丸底の中華鍋・北京鍋
最もわかりやすい例です。
底が丸いので、平らなIHプレートと点でしか接触しない→磁束が通る面積が極端に少なくなるため、加熱できない。
これは構造上の問題なのでどうにもなりません。
中華料理店でIHなんて見たことないですよね。理由のひとつがこれです。
ということで、IHでユーザーでこのような形状のものを使いたいなら、卓上のガスコンロを用意しましょう。
パターン②:底面に大きな反りがあるもの(目安3mm以上)
購入時はフラットでも、使い込んでいくうちに底面が反ってくることがあります。
主に厚みが薄いフライパンで起こる現象です。
反りが3mm以上になるとIHのセンサーが異常を検知して加熱できなくなるケースが多いです。
一部だけ密着している状態で無理に加熱すると局所的に高温になり危険な場合もあります。
💡 補足
反りが起こりやすいのは厚みが1.2mmのように極端に薄いもの。
薄いと空焚きや急冷などによる熱変形に耐えられなくなるからです。
「購入時はIH対応だったのに使えなくなった」という事態を防ぐには、空焚きしすぎない・急に冷水に入れないことを意識しましょう。
パターン③:底面の直径が小さすぎるもの
IHには検知できる最低サイズがあります。
IHのメーカーにもよりますが、底面の直径がおよそ12cm未満だと検知されないことが多いです。
小ぶりなソースパンや卵焼き器などで起こりえます。

購入前・使用中に意識するべきこと

これまでの内容を要約すると、
「鉄フライパンは素材としてIHと相性抜群。だけど底面の形状とサイズに注意」です。
とするならば、購入前や使用中に意識すべきなのはやっぱり「底面の形状です」
購入前:底面が平らかどうか目視・触って確認する
実店舗で買う場合は底面を平らな台に置いて、ガタつきがないか確認するのがベスト。
ネットで購入する場合は「IH対応」の記載と、底面形状についての説明を参照しましょう。
⚡️注意
当たり前ですが、多くの場合IH対応かどうか書いていると思うので、それを見るのが確実です
使用中:IHが反応しなくなったら底面を疑う
使い続けていたフライパンが急にIHで使えなくなったら、底面の反りを疑ってください。
フライパンを裏返して、定規や平らなものを底面に当てて隙間を確認。
3mm以上の隙間があれば、反りが原因の可能性が高いです。
💡 補足
反りが出たら基本的に矯正は困難です。
数百度に再加熱してハンマーで叩くとか、プレス機を使うことが必要です。
反ったらそれを教訓に再発防止(空焚きしない・急冷しない)に徹しましょう
【まとめ】鉄フライパン=IH対応と思ってOK。使えないものは例外

これまでの内容をまとめます。
- 鉄は強磁性体なので、素材の観点ではすべての鉄フライパンがIH対応
- IHが使えない鉄フライパンは「底面形状の問題」であって素材の問題ではない
- 非対応になるパターンは①丸底②底面の反り(3mm以上)④サイズが小さすぎる
- 「IH対応」と書かれた製品でも、底面が反ると使えなくなる
これらを抑えておけば、鉄フライパンとIHの相性とそれにまつわる問題に悩むことはなくなります。
ぜひ覚えておいてください。

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